１曲毎に織り交ぜられ、繰り広げられる狂おしき愛欲と情念の世界。それは寺山修司のことも彷彿とさせる。
宮谷和彦、上村一夫、真崎・守らが本作収録曲をテーマにペンを走らせたならば如何なる世界が出現していた事であろう。
特に本作ライナーでも特筆される『秀逸作』は、昭和の絵師・上村一夫に描いて貰いたかった。

世間に蔓延るＤＶ男どもに聴かせてやりたいアルバムである。
女とはこう斯くにも、げに恐ろしき生き物。
本作に秘められた魂の前ではオトコなどたちまち去勢され平伏して了うことだろう。女とゲイにとっては『聖典』の様相をも呈する作品だ。
廿八(28)年の時を経て復活した秘密の音源、か弱き物への贈り物としてその存在を確固たるものとしている。